
いつの間にか飲めるようになって以来、コーヒーが大好きです。
味も、香りも、カフェも、それを飲む人々や空間も。
今回はヨコイ エミ著『カフェでカフィを|2017年~(集英社クリエイティブコミックス)』を紹介します。
名脇役の”カフィ”
2020年10月現在、3巻まで出版されているこちらの作品。
1巻につき、15話前後の短編で構成されています。
この作品の面白いところは、どのお話にもコーヒー(たまにお茶なども)が登場するところ。
カフェのもの、豆から挽いて入れたもの、自動販売機の缶コーヒー・・・様式も様々なら
会社で、山で、ファミレスで、お風呂で・・・と飲む場所も様々です。
そっと差し込まれるコーヒーの存在感と、目にしたときの安心感はさながら名脇役といったところでしょうか。
カップを手にする人々は

また、それぞれのお話で登場人物は異なるのですが人・物・場所が巧みにリンクされているのも、この作品の魅力のひとつです。
例えば腐れ縁の男女がいて・・・
男の人は、ある日コーヒー豆を専門店で買って田舎のお父さんに送る。
女の人は、ある日ファミレスのドリンクバーを利用して、女友達とお喋りの時間を楽しんでいる。
ここから展開されていくのは、腐れ縁の男女の話、コーヒー豆専門店の店員さんと別のお客さんとの話、田舎のお父さんの話、お父さんの友人の娘の話、ファミレスの店員さんの話、女の人の友だちの話・・・などなど!
直接の関係性は無いけど、よく見ると背景に別のお話の人物が見つかることもあり、こういう仕掛けが好きな人にとってはたまらない作品です(もちろん私も大好き)
読んで・見て、感じるお茶のアロマ

飲み物を口にする場面を思い浮かべると(単純に喉が渇いた時を除けば)少し疲れたから一息入れようとか、自分を慰めたり甘やかしてあげたい時に口にすることが多いのではないでしょうか。
私自身、本能的にそう感じているためか、作中でカップを口にする人を見るだけでも気持ちがほぐれていくような感覚があります。
お話も落ち着いて静かに読めるものが多いです。
きっと本を閉じる頃には、お茶を一杯飲んだ後のように穏やかな気持ちになっているはずですよ。
こんな方にオススメです
- コーヒーやお茶がお好きな方
- 落ち着いた雰囲気のお話が読みたい方
- どこからでも気軽に読める、短編がお好きな方
- 癖の少ない、シンプルな絵柄がお好きな方
コメント