心が満たされることってなんだろう『ハッピーハンター』

ひとつ前の記事で紹介した『ムーン・ジャンパー』と同じく「百町森」で選んだ絵本、

ロジャー・デュボアザン作安藤紀子訳ハッピーハンター|ロクリン社(2017年)』を紹介します。

ダンディーなおじさまの周りに、リラックスした様子の動物たちが表紙・裏表紙にとたくさん集まっています。

動物に囲まれたハンターとは・・・?

あらすじ

おじさまの名前は、ボビンさん。

森の外れにある、小さな家に住んでいます。

秋口に家のそばを通った数人のハンターを見かけ、「自分もあんな勇ましい格好をして森や野原を歩き回れたら素敵だぞ」と帽子にコート、ブーツ、ベルト、猟銃を揃え狩りに出かけます。

動物を見つけ、銃をかまえて狙いを定めます・・・しかし、ボビンさんが引き金を引くことはありません。

狩りをするのではなく、ハンターの格好をしてあちこちを歩き回るだけで満足なのです。

「今日も素晴らしかった」と疲れた体で家に帰り、夕食を食べ、使わなかった大きな猟銃の手入れをすることがボビンさんの喜びなのです。

ボビンさんの素朴な暮らし

ボビンさんの家を覗いてみると、大事に使い込まれたであろう家具や道具がさっぱりと並んでいて、静かで丁寧な生活が伝わってきます。

私は物語の”食事風景がとても好きなのですが、ボビンさんの場合はこんな感じ。

ある日は豆の煮込みと紅茶、またある日はおおきなパンケーキとミルク、そしてまたある日にはパスタとリンゴ、そして食後のココア。

どれも素朴なメニューで、味のイメージが自由に広がっていきます

そうそう、ボビンさんは1匹の黒猫と暮らしているんですよ。

ムーン・ジャンパー』にも黒猫が登場するので、思わぬ偶然に頬が緩みます。

楽しみ方は、人それぞれで良い

ボビンさんを見ていると、物事の楽しみ方って人それぞれでいいんだよねと感じます。

ハンターの格好と猟銃を揃えたとして、狩りをするだけが楽しみ方ではないのです。

生活の中に、好きなものがあるだけでも嬉しい。

それだけで十分に、特別なことなんですね。

この本の好きなところ

この絵本で一番気に入っているのが表紙を開くと目に入る見開きのデザインです。

黒色のラフな線に合わせ、イエロー、ライトグリーン、ブルーで鮮やかに彩られ、まるでテキスタイルのよう。

表紙カバーの折り目に描かれた、狐と小鳥ともよくマッチしています。

1冊を通して色味が抑えられた挿絵も、レトロな雰囲気があり今頃の季節にぴったり合います

(ちなみに1961年初版の作品を初邦訳したものだそう・・・本当にレトロ!)

こんな方にオススメです

対象年齢:自分で読むなら5歳くらいからでしょうか。ふりがな付きですが、漢字が使われています。(ロクリン社|対象年齢記載なし)

  1. 動物と自然が好きな方
  2. 好きなことをもっと自由に楽しみたい方
  3. 異国情緒のあるボビンさんの暮らしを覗いてみたい方
  4. レトロで秋にぴったりな絵本を探されている方

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