
静岡県は静岡市にある、子どもの本とおもちゃのお店「百町森(ひゃくちょうもり)」。
夢のように楽しいお店で出会った、『ムーン・ジャンパー|偕成社(2014年)』という絵本を紹介いたします。
作者紹介
- ジャニス・メイ・ユードリー|文
- モーリス・センダック|絵
- 谷川俊太郎|訳
『木はいいなあ』のジャニス・メイ・ユードリー、
『かいじゅうたちのいるところ』のモーリス・センダック。
谷川俊太郎さんは言わずもがなですが、『スイミー』など外国絵本の翻訳も数多くされています。
名の知れたお三方ですが、この絵本に出会ったのは初めてでした。
調べてみると、1983年に講談社から『月夜のこどもたち(岸田衿子訳)』というタイトルで出版されていたようです。
現在は流通していないようですが、岸田衿子さんの訳も読んでみたいので図書館で探してみようかな。
夏の夜のおはなし
タイトルと表紙に見られるとおり、月夜が舞台の絵本です。
くたびれたお日様が丘へおり、月が昇った夏の夜。
家から出てきた4人の子ども達は裸足で草を踏み、風と駆け、夜の自由を謳歌します。
1匹の黒猫がそんな子ども達の様子を見守っています。
月の光に照らされて・・・
「詩的な文章&白黒のカット絵」と、「見開きページいっぱいに描かれたカラーの絵」とがページをめくると交互に表われます。
この、カラーの見開きページが夢のように美しい。
月に照らされた草木の静かな輝きと、色鮮やかにおちる陰のやわらかさ。
眺めていると、その情景から生まれる空気に包まれていくようです。
今までで1番好きな絵本かもしれない
お店で面出しされていたわけでもなく、沢山の絵本が背を並べる中
「ムーン・ジャンパー」という綺麗な言葉にギュッとつかまれ、目が離せなくなりました。
絵本に出てくるのは1匹の黒猫と4人の子ども達ですが、この本を開いている間は
自分もこの子達と同じくらいになって、一緒に月夜を楽しんでいるかのようです。
最後は家からお母さんに呼ばれ、ひんやりとしたベッドに入り、明日に向かっていく。
大人になった今、生活の中には苦労がたくさんあります。
でも、この月夜に遊ぶ時間は、どこまでも自由で何よりも優しい。
完全に大人目線で好きになった絵本ですが、私は大人の方にこそプレゼントしたいなぁと思います。
こんな方にオススメです
対象年齢:4歳から(偕成社HPより)
- この夏、少しくたびれてしまった方
- 夜の静かな情景が好きな方
- 大人の方への贈り物を探されている方
- 黒猫が好きな方
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